2014年以降、「地方創生」は国策として繰り返し掲げられてきました。観光振興、移住定住、デジタル田園都市構想など多様な施策が打ち出されましたが、人口減少と産業空洞化の流れは止まっていません。
理由は単純で、地域経済の根幹である農林水産業の改革を避け続けてきたからです。
地方の基盤産業でありながら、JA・農水省・補助金制度が複雑に絡み合う「利権の岩盤」となっている。
政治的にも選挙基盤との関係が強く、真正面から改革することはタブー視されがち。
その結果、農水産業は「地方創生の要」であるはずなのに、政策の優先順位は低く抑えられてきた。
つまり、地方創生の根本にある「岩盤」を避けたまま、観光やIT活用に逃げてきたのが現実です。
補助金や交付金頼みの短期施策 → 「一過性のイベント消費」に終わる。
移住・テレワーク促進策 → 就業基盤が弱いため定住に結び付かない。
観光DXやふるさと納税 → 外部マネー流入に依存し、地域自立には至らない。
📌 結論:本質的課題に手を付けない限り、“延命策”にしかならない。
農地制度の抜本改革
小規模・高齢農家が耕作放棄地を抱え続ける構造を打破。
若者・企業・スタートアップの参入を制度的に後押し。
JA改革と流通構造の開放
金融・流通の独占的機能を見直し、地域の開かれた「産業支援機関」へ転換。
生産者と消費者を直接つなぐデジタル流通の拡大。
農水省の役割再定義
「保護官庁」から「成長産業官庁」へ。
補助金行政ではなく、輸出戦略・アグリテック支援に重点を移す。
デジタル・外部資本の導入
AI・IoTによるスマート農業を普及させ、労働集約から知識集約型へ転換。
外部企業や投資ファンドを呼び込み、地域を「守る産業」から「攻める産業」へ。
広域連携と人材循環
自治体ごとの縦割りを越え、地域ブロック単位で産業・教育・医療を最適化。
地方と都市の人材を循環させる仕組みを制度化。
地方創生はもはや「スローガン消費」では持続しません。
農林水産業という“動かせない岩盤”にこそメスを入れなければ、人口減少・地域衰退の流れは止まらないでしょう。
本質的問題を避ける政治・行政の姿勢こそが、最大のリスクです。
逆に言えば、ここに真正面から取り組める地域や政府こそが、未来の「地方創生モデル」を生み出すことになるはずです。
👉 まとめ
これは「辛口解説」であると同時に、「改革提言」でもあります。
つまり、“農業改革なくして地方創生なし” です。
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