<解説:デジタル通貨を平易に解説> 

📌目次

・デジタル通貨とは?

・ステーブルコインとは?

・CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは?

・ステーブルコインとCBDCの関係

・CBDCが停滞する主な理由

・ステーブルコインとCBDCの関係

・世界の動向

・日本の状況

 

 

<解説:デジタル通貨を平易に解説>

 

🌐 デジタル通貨とは?

  • お金をデジタル化したもので、スマホやネットを通じて送金・支払いができる仕組み。
  • 現金(紙幣・硬貨)のように手渡しするのではなく、電子的に「価値」をやり取りする。
  • 代表的なものには「電子マネー」「暗号資産(仮想通貨)」「ステーブルコイン」「CBDC」などがある。

 

💱 ステーブルコインとは?

  • 価値が安定したデジタル通貨。通常は「米ドル」「円」などの法定通貨に価値を連動させる。
  • 例:USDT(テザー)、USDC(サークル社)、JPYC(日本円建ての民間発行型)。
  • 特徴
    • 値動きが大きいビットコインなどと違い、価格がほぼ固定されている。
    • 主に国際送金や暗号資産の取引の中継役として使われる。
    • 民間企業が発行するケースが多い。 

 

🏦 CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは?

  • 中央銀行が発行するデジタル版の「法定通貨」。
  • 紙幣や硬貨と同じく、国家が保証する。
  • 例:
    • 中国の「デジタル人民元(e-CNY)」はすでに実用化段階。
    • インドの「デジタルルピー」は急速に利用が拡大中。
    • 欧州や日本はパイロット段階(実験・準備)。

 

🔗 ステーブルコインとCBDCの関係

  • 両方とも「デジタル通貨」だが、発行主体が違う。
    • ステーブルコイン 民間企業や銀行が発行
    • CBDC → 中央銀行が発行
  • 役割も異なる。
    • ステーブルコイン 主に新しい決済手段や国際送金に強み
    • CBDC → 公共インフラ的な役割(現金のデジタル化)

👉 つまり、ステーブルコインは「実用が先行」、CBDCは「制度と安全性を重視してゆっくり進む」という関係。

 

🛑 CBDCが停滞する主な理由

1. 政策・制度面の慎重さ

  • 金融システムや通貨主権に直結するため、各国とも安易に導入できない。
  • 「現金がなくなるのでは?」という国民の懸念、プライバシー保護や監視社会化への不安が強い。
  • **商業銀行の役割を奪うのでは?**という銀行業界からの反発もある。

2. 技術面の課題

  • 大量決済処理能力(スケーラビリティ)
    全国民が毎日使えるレベルの処理速度が必要。既存のブロックチェーン(分散型台帳)は秒間数千件以上の処理が苦手。
  • サイバーセキュリティ・耐障害性
    ハッキング、障害、量子コンピュータ時代への備えが不可欠。
  • オフライン決済
    災害や停電時にも利用可能にする仕組みがまだ確立されていない。

3. 経済・金融面のリスク

  • 銀行預金からCBDCへ資金が大量移動すると、銀行の資金調達が難しくなり、融資機能が弱まる可能性。
  • 金融政策(金利操作)や国債市場への影響も不透明。
  • 「現金並みの匿名性をどこまで確保するか」という設計で各国が悩んでいる。

 

💡 ブロックチェーンの課題はCBDC停滞の一因?

  CBDCを「中央銀行が保証する安全で安定したデジタル通貨」とするには、現状のパブリック型ブロックチェーン技術では課題が大きいです。

  • ブロックチェーンは透明性や改ざん耐性に優れるが、処理速度・エネルギー消費・スケーラビリティで課題がある。
  • そのため多くの中央銀行は、パーミッション型(許可制)の分散台帳や、ブロックチェーンに似た独自の集中管理型台帳を採用する方向にある。
  • つまり、CBDCでは「必ずしもブロックチェーンを全面採用していない」。

 

📌 まとめ

  • CBDCが停滞する理由は、政策判断の慎重さ・技術的課題・金融システムへの影響の三重苦。
  • ブロックチェーンの限界(処理能力や効率性)は、停滞の一因となっている。
  • 結果として「民間主導のステーブルコインが先に広がり、CBDCは試験・調整段階で足踏み」という状況。

 

🌍 世界の動向

  • ステーブルコイン
    • 2025年時点で市場規模は 3000億ドル超。
    • 米ドル建て(USDTUSDC)が中心。
    • 欧米で規制が進み、銀行・カード会社も利用を検討中。
  • CBDC
    • 134カ国が調査・開発、11カ国が発行済、53カ国がパイロット中。
    • インド・中国は活発。
    • 米国は「小売型CBDC」は中止、一方で銀行間決済向けは研究中。
    • 欧州・日本は検討段階。

 

🇯🇵 日本の状況(銀行が先行?)

  • 日本銀行(CBDC
    • 「デジタル円」の実証実験は行っているが、発行は未定。
    • 実際に導入するかは政府と国会の判断に委ねられている。
  • 銀行や企業の取り組み(ステーブルコイン型)
    • 三菱UFJ銀行 → Progmat Coin(円建てステーブルコイン)
    • みずほ・三井住友・ゆうちょ銀行なども、独自のデジタル通貨の構想を発表。
    • 民間銀行が先に動き、CBDCより利用が早く広がる可能性がある。
  • 法整備
    • 2022年の資金決済法改正で「ステーブルコインは銀行や信託会社のみ発行可能」となり、国内の安全性は強化されている。

 

📌 まとめ

 

  • デジタル通貨 = 現金を電子化した新しいお金。
  • ステーブルコインは民間発行、価値が安定、利用が先行中。
  • CBDCは中央銀行発行、国家が保証、進展は慎重。
  • 世界ではステーブルコインが急拡大、CBDCは試行段階。
  • 日本では、銀行のステーブルコイン構想がCBDCより一歩先に進んでいる。

 

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