2020/10/20

 

落選後のトランプは、恩赦? 逮捕? それとも亡命?

https://news.yahoo.co.jp/articles/b9c05a9460e0b99a7777482f4c073410a1fe0491?page=1

  仮にトランプ大統領が113日の選挙で落選すると、2021120日の正午には大統領ではなくなり、法的には一般人となります。

普通の大統領であれば、退任して悠々自適の生活を送ることになります。ですが、トランプ大統領の場合はそう簡単には行かないでしょう。

  反対派としては、大統領の地位を失ったトランプは、在任中あるいはその前に起こしたかもしれない違法行為について、厳しく裁かれるべきだと考えているからです。Newsweek

 

2020/10/20

 

【解説】 批判も称賛も……トランプ氏「暴露本」、いろいろ読んで分かったこと

https://news.yahoo.co.jp/articles/bed90a782f896c0a4ffa03661b4d753cc88234b8

 ドナルド・トランプ米大統領の就任以来、トランプ氏とトランプ政権に関する「暴露本」の出版が相次いだ。特に最近の書き手は、忠誠を尽くした元側近や、不満を抱いて離職した元職員などさまざまだが、その内容を総合すると、トランプ氏についてどういう人物像が浮かび上がるのだろう。「こんな大統領とこんな政権がかつてあったか?」。暴露本の筆者の1人はこう尋ねられ、「絶対になかったと保証した」のだそうだ。(BBC News

 

2020/10/20

 

米民主党が「2016年の再現」を警告、トランプを甘く見るな

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a05a12531c439f21397602ca13576a964c5ca3a

 民主党バイデン陣営は、支持者たちに向けて今年の選挙キャンペーンは、メディアの報道が示すよりも 「はるかに接戦になる」と警告し、有利な世論調査結果に満足し、気を抜かないように呼びかけた。

 フォーブスが入手した内部文書で、バイデン陣営のジェン・オマリー・ディロン選対本部長は支持者らに向けて、「我々の立場が強いと確信している」と述べつつも、選挙戦は「複数の評論家が示唆するよりもはるかに接戦になる」と分析した。

 「勝敗の鍵を握る州で我々は、トランプ陣営と互角の情勢となっている」とオマリー・ディロンは指摘した。その一方で、彼女はアリゾナ州とノースカロライナ州の世論調査で、バイデンの支持率がトランプを3ポイント上回っていることを引用し、「我々は勝利に向かっている」と述べた。Forbes

 

 

2020/10/19

 

ドナルド・トランプが選挙に敗れた場合に待っている法的な計算

 https://edition.cnn.com/2020/10/17/politics/trump-election-legal-reckoning/index.html

 

 At a rally in Macon, Georgia, President Donald Trump suggested he may have to "leave the country" if he were to lose the 2020 presidential election to Joe Biden.(CNN)

  Google翻訳:ジョージア州メーコンでの集会で、ドナルド・トランプ大統領は、2020年の大統領選挙でジョー・バイデンに敗れた場合、「国を離れる」必要があるかもしれないと示唆した。

 

2020/10/18

 

科学誌、再選「ノー」相次ぐ コロナ対応見過ごせず 米大統領選

https://news.yahoo.co.jp/articles/93608a992a8b0db1c2146aea05185e5cf16821df

 【ワシントン時事】来月の米大統領選を前に、米サイエンス、英ネイチャーなど世界で最も権威のある科学誌が相次いでトランプ大統領の再選不支持を打ち出した。「リベラルか保守かの問題ではない。われわれの政治指導者は危険なほど無能だ」。医学界で最高水準の影響力を誇る米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)は今月8日、再選反対を明確にした。

 科学誌ではこれまでも地球温暖化など科学を否定するトランプ氏に批判的な論調はあったが、一線を越えさせたのはコロナ対応だ。

サイエンス誌は9月、コロナの脅威について「明白なうそをついた」と再選不支持を表明。ネイチャー誌も今月14日、トランプ政権の「破滅的なコロナ対応」を非難し、民主党候補のバイデン前副大統領支持に踏み込んだ。(時事通信)

 

2020/10/18

 

トランプ「土壇場の大逆転」2度目は空振り? 前回と異なる要因

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/2-308.php

 2016年の米大統領選で、ドナルド・トランプ氏はぎりぎりまで投票先を決めかねていた有権者を取り込む形で、誰もがあっと驚くような勝利を得ることができた。しかし、今回はトランプ氏にとってこうした有権者が救いの神となりそうにないことが、最新のロイター/イプソス世論調査から読み取れる。

 113日の投票日まで3週間を切った現在、トランプ大統領は全国的にも激戦州でも、民主党候補のバイデン前副大統領に支持率でリードを許す厳しい状況にある。そこでトランプ陣営は、土壇場で態度を決める有権者がトランプ氏に大挙投票し、起死回生の再選をもたらすシナリオに期待をつないでいる。

 だが、今月9─13日に行われたロイター/イプソス調査を見ると、投票先をまだ決めていない人の数は4年前に比べてずっと少なく、彼らがトランプ氏とバイデン氏のどちらを選びそうかという点でも五分五分だ。Newsweek

 

2020/10/18

 

アメリカ国民の多くが今、トランプの「信者」になっている

https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2020/10/post-53.php

 <自己イメージを揺るがす現実は一切受け入れず、都合の悪い真実は拒絶するか誰かのせいにするトランプ。その精神は既に国民の

かなりの割合に伝播している>

 ドナルド・トランプの新型コロナウイルス感染が判明して1週間余り。この騒動に注目が集まるなかで、見落とされている問題がある。

その問題とは、米国民のかなりの割合がいわばトランプ信者になっていることだ。それが原因で大統領選の円滑な実施が危うくなり、ことによるとアメリカが内戦状態に陥りかねない。Newsweek

 

2020/10/17

 

バイデン勝利にラティーノ票の不安 民主党がハートをつかみきれない訳

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94694.php

 <激戦州に多く暮らす中南米系有権者──その支持獲得が4年前の二の舞いを回避するには重要だが、バイデンは彼らのハートをつかめていない。障壁となっているのは>

 米大統領選で反ドナルド・トランプの大波に乗る民主党候補が各種の世論調査で優勢を保ち、特にラティーノ(中南米系)有権者の間では3分の2の支持を集めています──というのは4年前のヒラリー・クリントンの話。それでも彼女は勝てなかった。Newsweek

 

2020/10/16

 

早期投票は民主先行、得票でもバイデンが40ポイントリード

https://news.yahoo.co.jp/articles/3308457bce3923c80a1541f38daca6debdca7e39

 113日の米大統領選に向けて各州の情勢をまとめている「米国選挙プロジェクト」によると、政党登録データを公表している9州で、すでに郵便投票を済ませた有権者は、米東部時間13日現在、民主党の登録者で350万人超にのぼる一方、共和党の登録者では150万人弱にとどまっている。

 一方、英調査会社ユーガブと英誌エコノミストが同日発表した全米の調査結果では、すでに投票した有権者の68%は民主党のジョー・バイデン前副大統領に投票し、共和党の現職ドナルド・トランプ大統領に投票した人は29%と大差がついている。Forbes

 

2020/10/15

*アメリカ大統領選挙2020NHK NEWS WEB

 

2020/10/12

 

陰謀論を唱える「Qアノン」の支持者たち、その知られざる実態

https://wired.jp/2020/10/12/qanon-supporters-arent-quite-who-you-think-they-are/

 政治にまつわる陰謀論を唱える「Qアノン(QAnon)」と呼ばれるグループへの支持が米国で広がっている。「民主党の政治家と一部の著名人が悪魔崇拝と児童虐待に関与している」と考え、こうした相手とトランプが戦っているという筋書きに基づいて多様なつくり話が拡散しているのだ。なぜ多くの人が荒唐無稽な陰謀を信じてしまうのか──。その実態調査から、意外な実態が浮き彫りになってきた。WIRED

 

2020/10/10

 

トランプ氏、ポンペオ氏ら側近をやり玉、バイデン氏とのリモート討論会は拒否

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21034

 新型コロナウイルスに感染しているトランプ米大統領は108日、保守系テレビの深夜番組で、自身へのロシア関連疑惑を捏造したとしてオバマ前大統領やバイデン前副大統領らを訴追するよう要求、訴追に動かないバー司法長官やポンペオ国務長官らをやり玉に挙げた。2人は最も忠実な側近だ。入院先から強行退院したものの支持率が低迷、焦りのあまり八つ当たりした格好だ。

 大統領が投与されているステロイド系の抗炎症薬デキサメタゾンは精神的な高揚を促す効果があるとされている。下院の一部は超党派でトランプ氏のメンタル面を含めた健康状態をチェックし、異常があれば「修正憲法第25条」に基づいて大統領の権限はく奪を議会に

勧告する法案を検討しているという。WEDGE

 

2020/10/07

 

10/06 WIREDより

 

COVID-19の陽性反応を明らかにした直後のトランプ大統領は104日、マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンペオ国務長官らとの電話会談に、メリーランド州のウォルターリード国立軍事医療センターの会議室から臨んだ。TIA DUFOUR/GETTY IMAGE

25

今やオクトーバー・サプライズですらリアリティショー!

半世紀を超える伝統を根こそぎ破壊するような、最悪かつ醜悪な見世物となってしまった第1回大統領ディベート。「果たしてあと2回、ディベートをおこなう意味があるのか」という声も挙がっているなかで飛び込んできた、トランプの新型コロナウイルス感染の報。投票まで1カ月を切り、大統領選の行方はますます混沌を深めていく。

2020.10.06 TUE 17:00

TEXT BY JUNICHI IKEDA

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·         1 ~ 11

·         12 ~ 20

·         22 ~ 25

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「ロー&オーダー」に全てを賭けてきたトランプ

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ガンダルフ・フォー・プレジデント!バイデン・フォー・アメリカ!

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RBGの死で前倒しされたオクトーバー・サプライズ

o    25

今やオクトーバー・サプライズですらリアリティショー!

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知的舌戦が成立しない大統領

2020101日、トランプ大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したという知らせが世界中を駆け巡った。彼だけでなくメラニア夫人も感染したのだという。この知らせ以来、アメリカは大混乱に陥っている。大統領選に向けたキャンペーンだけでなく、大統領の日常の執務にも影響を与えることは必至な事態だからだ。たとえば、ダウ平均はトランプ感染の知らせに一気に400ドルも下がるなど、政治のみならず経済活動への影響も計り知れない。

とはいえ、状況はあまりにも不透明であり、続報を待つしかないところがある。そのため、まずはそれに先立って行われたディベートの方から扱いたい。感染の報を知ってから振り返ると、ディベートの様子にも、その徴候が現れていたようにも見えなくはないからだ。

2020929日の夜に行われた第1回大統領ディベートは、1960年に始まって以来、半世紀を超える伝統を根こそぎ破壊するような、最悪かつ醜悪な見世物として終わった。終了直後、多くの視聴者──少なくともリベラルと保守中道ならびにインディペンデント──の心を完全に折るような惨憺たるものだった。

 

POOL/GETTY IMAGES

事前に予想されていたこととはいえ、ここまで酷いものになるとは思っていなかった。報道によっては、トランプとバイデンの個人攻撃合戦に終始した、と書かれているものもあるが、そのような記事を書いた人は、あのディベートをライブで通しで見ていないか、単にすでにある記事を切り貼りしただけか、あるいは、最初からトランプの信奉者だったのだろう。

ディベートのルール──知的舌戦の格闘ゲームであるディベートにはちゃんとルールがある──など、はなからトランプは無視してかかった。「持ち時間」の中で相手の主張の矛盾点をつき、自分に有利なものへとひっくり返す、というディベートのスタイルは結局、一度も見られなかった。もっとも大統領になる前には政務も法務も経験したことのないトランプには、ディベートがどのようなものか、よくわかっていなかったかのかもしれない。立証や議論構成の冴えを競い合うディベートがロースクールの文化であることは間違いないからだ。

だが、それ以前に単純に、74歳にもなって公然と数千万人のアメリカ市民の前で──ニールセンの調査では7300万人がライブで見ていたのこと──あれだけ顔を赤らめながら、ひたすらバイデンの発言を中断し罵倒することを繰り返し、政策についてはほとんど触れることもなく、ただただバイデンならびに彼の家族の中傷だけをし続けることができるのだから。見事に「74歳の怒れる高齢者」を演じていた。単純にホラーだった。狂人のごとき形相に苦笑いするしかなかった。

ところで、いま、「演じた」と書いたのは、ディベートの直前にどうやらトランプは稀代の芸人であったことが判明したからだ。

1回ディベートの2日前、ニューヨーク・タイムズは、2016年ならびに2017年のトランプの連邦所得税の納税額が750ドルであったと報道した。同紙によればトランプは、決して成功したビジネスマンでもなければ、ましてや不動産王などでもなく、多額の借金を抱えたただの一デベロッパーにすぎなかった。その彼をぎりぎりのところで破産の危機から救ったのが2004年に始まったリアリティショーの『アプレンティス』だったのだ。

 

RON GALELLA/GETTY IMAGES

この番組を通じてトランプは、一躍、「ニューヨークで成功したビジネスマン」という「イメージ」を全米で獲得し、それをてこにして様々なライセンスビジネスを展開し、儲けることができた。そうして自らのイメージをマネタイズ(現金化)したわけで、なんてことはない、トランプは「最も成功したビジネスマン」をテレビで演じただけの俳優、いや芸人だったわけだ。だからバイデンが、今回のディベートでトランプを「クラウン(=ピエロ)」と呼んだのも、侮蔑などではなく正当な評価だった。なにしろクラウンとして、最後にはアメリカ大統領にまで上り詰めたのだから。偶然も重なったことだろうが、しかし、チャンスが来たときにそれを逃さず掴み取れることもまた、確かに一つの才能である。

 

アメリカの政治文化への侮蔑

皆が見たがっている幻想を、彼らが望むままに現出させることは、芸人として一級の才能だからだ。

トランプが外遊先でプレス向けの会見を開くときは、アメリカ東部時間でのプライムタイムとなるよう細心の注意が払われていると言われるが、それも納得できる。カメラのフレームの中でどう自分を見せるかが成功の出発点だったからだ。その上で、ツイッターで常に「(罵倒、中傷、偽情報の)発信」を心がけるのも、それを含めて、トランプのイメージを維持するための「環境構築」だから。

実際、ディベートでの興奮ぶりも、普段の連投ツイートの中身を思い浮かべれば大して違和感もない。普段ならツイートで流しているものを、自分の口でリアルタイムで話していたと思えばよい。ディベート会場におけるトランプは、しゃべるツイッターアカウント@realDonaldTrumpだったのだ。

ただし、一つ難点があったとすれば、トランプがそうまでして「なりきる」とき、そのオーディエンスは、あくまでも彼のファンに限られることだ。彼のツイートが基本的には彼のフォロワーに向けられたものであることと同じだ。そのため、今回のディベートのステージのように、トランプにとって根本的なノイズであるバイデンが登壇していると、なんの躊躇もなくバイデンを襲撃し、トランプのファンが望む、リベラルやソーシャリストに対する憎悪や忌避、侮蔑を明らかにしてしまう。しかし、その様子を見せられる人たちには、当然、トランプのファンではない人もいる。あるいは、このディベートがトランプのワンマンショーだとは思っていない人もいる。そのため、トランプがファンサービスで行ったことは、彼のフォロワーでもない限り、地獄絵にしか見えなくなる。

 

実際、今回の、ディベートとは名ばかりのトランプの罵倒劇を90分もの間、ライブでつきあわされた人びとは、トランプのファン以外は、リベラルか保守かを問わず、大なり小なり政治的な意識の高い人びとであったこともあり、最後まで止むことなく見せつけられた惨状に辟易としていた。ディベート終了直後のNBCの調べでは7割の視聴者が「annoyed(イライラした、ムカついた)と応えていたのも当然だった。

一方、ジャーナリストの多くは、例年通り、このディベートを、2人の候補者の政策や思想の違いに還元し、舌戦の応酬の中での切り返しの妙などの話術を含めて、どちらが勝者であったか、判定するつもりで臨んでいた。その大前提として発言のファクトチェックに律儀に取り組んでいた。それが、アメリカ社会における、政務/法務の知的ゲームであるディベートに対する普通の態度だからだ。

ところが、蓋を開けてみたら、ただの罵り合いに終始したのに驚き、どのジャーナリストも軽い前後不覚の状態になっていてた。終了直後に総括のコメントを求められても、多くの人たちが冷静さを欠いていて、いつもの3割増しのスピードで話し続ける、という異常な光景も見られた。

NBAの試合を見に行ったら、コートで行われたのは、なんとプロレスだった! といえばよいか。いや、プロレスですらなく、ただのストリートの殴り合いだった。いやいや、殴り合いですらなく、赤ら顔のチンピラが因縁をつけて老人を蹴りつけてきた、という感じだったのだ。

これは、ディベートの破壊なんてことではすまない。アメリカの政治文化への挑戦であり、アメリカのジャーナリズムに対する侮蔑である。そのように直感したからこそ、彼らは皆、いささか挙動不審にも見えるコメントを投げかけていたのではないか。ジャーナリストたちは皆、程度の差こそあれ、キョドっていたのだ。

 

だが、このディベート直後にあらわになったジャーナリストの狼狽ぶりにしても、時間が経って正気に戻った彼らが、いつもの日常業務としてレポートを書いたり喋ったりした時点で、「いつもどおり」の報道言語で記されてしまう。あ、そういえば、バイデンもトランプをけなしていたな、「シャラップ」なんて今までのディベートでは使わなかったな、などと感じて「二人による中傷合戦だった」と定型句的に書いてしまう。それは(リベラルな)ジャーナリストの性として「書く際には反省のうえ公正な視点を採用する」という習い性が自然と出てきてしまうからであり、そもそも書き手にとっても、そのような「正常な言葉」を選択することで、自らの心を正常化しているきらいもあるからだ(ここで思い出すべきは、アメリカの報道記事は、基本的に書き手の個人名が添えられた署名記事であることだ)。

ざっと見た範囲で、最もそのような報道姿勢の浄化傾向が見られたもののひとつがWall Street Journal。この経済紙がもともと共和党寄り、保守寄り、ということも影響しているとは思うが、それにしても見事に、あのディベートの、おもちゃ箱を砂場でひっくり返したあとでもイジメっ子がイキり続けている、といったようなたぐいの目の当てられなさは、脱色されていた。

子どもは、イノセント(無垢)の象徴であると同時にイーヴル(邪悪)の象徴でもある。そのような「純粋なヤバさ」があのディベートのトランプにはあった。バイデンは、そのようなトランプからの罵倒や中傷に最後までよく耐えていたが、それでも途中、返答や切り返しに躊躇する場面が見られた。というか、素で呆然としていた。だがあれはきっと単純に、この相手はどうしてここまでこんな風に悪意全開でもって、自分やモデレータのクリス・ウォレスに食って掛かってくるのだろうか?――そのようなトランプの激昂ぶりがまったくもって理解不能であり、その不可解さに困惑し、一部では怯え、一部では憐れみすら覚えたからではないかと思えてしまうほどだ。トランプに大して関心を持たない人でも、あのディベートの中で図らずも示された、圧倒的強度を伴うトランプの「闇」には、思わず興味を抱かないではいられないだろう。ましてや、あの徹底した悪漢としての振る舞いに魅了されてしまう人が出てくることも否定できない。

 

SCOTT OLSON/GETTY IMAGES

多分、バイデン以外の民主党候補者では、あそこまでは耐えられなかっただろう。仮にも半世紀近く、上院議員や副大統領を務めた経験があったからこそ、あの闇にも対処できた。バーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンだったら、トランプの激昂ぶりに真正面から勝負を挑んで、トランプの思うツボだったかもしれない。カマラ・ハリスやエイミー・クロブッシャーのような女性候補であれば、2016年のヒラリー・クリントン同様、逆に呆れ返って、途中から話すのも無駄、とばかりににらみ続けて終わったことだろう。ピート・ブティジェッジやアンドリュー・ヤン、あるいはベト・オルークなど1世代以上も歳の離れた世代では、最初から呆然としっ放しだったかもしれない。数少ない対抗馬と思しき元候補者といえば、何が来ても陽気に切り返すだけの機知のある黒人のコリー・ブッカーと、逆に、長じて鋭い眼光で睨みのきくドン顔になってきたフリアン・カストロの2人くらいだろう。

逆に、こう見直してみると、トランプが、自分の対抗馬の候補として、バイデンを最も嫌がり、昨年の夏、民主党の予備選前ディベートのさなか、ウクライナ大統領に対して、バイデンとその息子のハンターの醜聞探しを依頼するといった勇み足を踏んで、今年1月の弾劾裁判にまで至ってしまったことも理解できるように思える。

今回のディベート中で最も不可解だったのは、トランプが、なんとしてでもバイデンを、極左のソーシャリストとして位置づけようとしていたことだ。

トランプはバイデンを、サンダースやAOC(アレクサンドリア・オカシオ゠コルテス)のようなGreen New Dealの推進者としてラベリングしようとして、執拗に突っかかってくるのだが、バイデンはGreen New Dealの賛同者ではないと即答するだけで「ピリオド!(=終わり)」だった。バイデンが、Green New Dealの完全な賛同者ではないことは、昨年の民主党予備選ディベートの際に、民主党内のプログレッシブから不満の声が挙げられていたくらいなので、バイデンの返答が嘘ではないことはすでに多くの人の知るところだ。

 

CHIP SOMODEVILLA/GETTY IMAGES

 

もちろん、バイデンも気候変動問題や代替エネルギー問題が地球規模の課題であることは承知しているので、何らかの対処が必要だと考えている。そのための政策綱領についても、サンダースのスタッフとバイデンのスタッフの間で共同検討チームを組織し、一定の「すり合わせ」──こういってよければバイデンの見るところ政治家には必須の「妥協」を──すでに終えている。つまり、バイデンが、純然たるGreen New Deal派ではないことは公にされている。

たとえば、バイデンは、フラッキングまでは手を付けない。これは、気候変動問題は大事だが、その一方で国際政治秩序を考えれば、産油国の立場を考慮に入れることもまた重要で、フラッキングによってアメリカが産油国としての発言権を高めることが、ゆくゆくは石油の減産を国際スキームにしていく際に有効かもしれない、などというような皮算用くらいはしていることだろう。長らく上院の外交委員会に所属していたバイデンからすれば、諸外国や国際機関とアメリカ政府との間の関係性の修復・改善は、就任後に即座に取り掛かるべき課題の一つであるし、リンカーン・プロジェクトのような共和党の中道派がバイデン支持に乗り出したことにも、アメリカの国際的地位、端的にいえば覇権国として外交的リーダーシップを発揮する地位へ返り咲くことを求めているからだと思われる。

このGreen New Deal以外でも、たとえばMedicare for Allについてもバイデンはサンダース案を丸呑みしているわけではない。あるいは、警察機構に問題があることを認めているはいるものの、BLMが主張する“Defund the police”にもバイデンは賛同していない。ギリギリのところで、バイデンは党内のバランスを取ろうとしており、その時点で彼自身はプログレッシブではない。ましてや、サンダースのような「デモクラティック・ソーシャリスト」でもない。

 

裏返すと、トランプがあそこまで激昂してまで、バイデンを「極左のソーシャリスト」に仕立て上げようとしゃかりきになった背後には、「どうして俺の相手はサンダースじゃないんだよ!なんでお前はバイデンなんだよ!」という行き場のない怒りも混ざっていたからのように思える。トランプが、ひたすら駄々をこねている子どものように見えたのも、そのためだったのではないか。

そのあたりの様子は、最後にモデレータのクリス・ウォレスから、ホワイト・スープレマシスト(白人優越主義者)に対して、11月の投票日の投票所や、その後の開票所での暴動を控えるように指示できるかという問いに対して、「Stand down and stand by」、つまり「一歩下がってスタンバっとけ」という表現で返したところにもあらわれている。トランプからすれば、彼のファンに対して、お前たちの代わりに極左/ソーシャリストをたたいてやるぜ!とパフォーマンスを示したかったのだが、残念ながら、バイデンはサンダースではなかった、ということだ。

それにしても、あの姿が演技ではなく普段の素の姿だとしたら、トランプに任命され喜んで就任したにもかかわらず、然る後にトランプのもとを去る政府高官(各省の長官)たちが絶えないことも、また、その多くが退任後、トランプ批判の急先鋒に転じることも、ともに理解できる。あの癇癪でどなられたのではたまらない。あの激高した様子で核兵器のスイッチが推されることもあるかもしれないと思うと、コマンダー・イン・チーフなんて任せておいてはいけない、と国務省や国防総省、あるいは国家安全保障省やFBICIAなどのキャリア組が懸念を示すのもわかろうというものだ。

普通に考えれば、仮にあれが素の姿だとしても、公式の場では控えるように、というのが、ホワイトハウスの側近の考えることだろう。だから、次に問うべきは、にもかかわらず、彼があの様子をさらしたのはなぜか?というものだ。少なくとも2016年のヒラリー・クリントンとのディベートは、あそこまでひどくはなかった。

 

どう考えても、現役大統領の発言には見えない。バイデンに挑む挑戦者の姿なのだ。やはり納税額750ドルの報道が効いていたのか? 地味に本当の姿を暴露されて慌てていたのかもしれない。それでも、とてもではないが、74歳が取る態度だとは思えないが。あれでは、2016年のトランプの当選直後に『ドナルド・トランプの危険な徴候』という本を出版し、トランプのナルシスティックな精神状態に警鐘を鳴らした精神医たちの懸念がそのまま正しかったように思われてしまう。

 

このタイミングでまさかの感染

このようにディベート当日のトランプは、尋常ならざる存在だった。それを世界中に公にしたのだ。しかも、どこかで隠し撮りされた映像ではない。最初から最後までFoxを中心に地上波テレビやケーブルチャンネル、あるいはストリーミングを通じて公式に放送/配信されていた。観ている者にとっては、その人がプロのジャーナリストか、ただのオーディエンスかを問わず衝撃的な、トラウマ的な体験だった。

そのため、ディベートの後に起こった議論は、「勝ち負け」ではなく、「残り2回のディベートを実行すべきどうか」だった。こんなディベートをあと2回も見せられるくらいなら、もう全部、キャンセルしようぜ!ということだ。まさにキャンセルカルチャーの症候そのものだったのだ。

……とここまで書いたところで、101日、突然、トランプがCOVID-19に感染したため、自己隔離に入ったという知らせが入った。ホワイトハウスの女性スタッフであるホープ・ヒックスが感染したという報道が出た直後、急遽、検査をしての結果だったという。ファーストレディのメラニア・トランプも同様に感染したことが伝えられた。その後、102日の午後には、体調の不調からトランプはウォルター・リード軍病院に運ばれた。認可前の試験薬を含めて治療が続けられている。

 

これは、文字通りのオクトーバー・サプライズ。

10月のキャンペーンスケジュールは全て見直しを迫られる。

投票日まで32日の時点で、トランプは最低でも2週間ほどの隔離に入らねばならなくなった。その間のキャンペーン行事はすべてキャンセル、ということになるだろう。継続が心配された残り2回のディベートについても中止になる可能性が高まった。もちろん、トランプの体調次第ではあるが、少なくとも登壇しての実施は難しくなりそうだ。

もっとも、それ以前に体調は本当に大丈夫か、ということになる。なにしろ、トランプは74歳という高齢者であり、アメリカでは65歳以上の感染者の重篤率も死亡率も高い。トランプには糖尿病の疑いも以前からあり、それが本当ならさらに重篤化する可能性は高くなる。体調が急変した場合、状況次第ではペンス副大統領に、憲法修正第25条に従い、大統領の職務を一時的にでも移譲する可能性すらある。

 

トランプと談笑するペンス副大統領(中央左)。DREW ANGERER/GETTY IMAGES

 

当面の間は、治療の経過を伝える続報を待つしかないが、トランプ陣営が困惑していることは間違いない。同時に、トランプと一蓮托生を選んだ、今年改選を迎える共和党の議員たちもだ。

なお、バイデンについても、ディベートの場を共有したことから、感染の可能性が懸念されたが、トランプの陽性感染の報の直後に検査を行ったところ、幸いにも結果は陰性だったことが公表された。とはいえ、ちょうどバイデンは全米の遊説の旅を始めたところでもあったのだが、今後は、屋内イベントは避けるなど、最後の追い込み時期に、キャンペーン計画の見直しを迫られている。

さらにいえば、トランプ夫妻の感染結果から、ホワイトハウスがCOVID-19の感染源となった疑いが高まり、最近出入りしていた人たちに対しても検査が行われることになった。その結果、918日に亡くなったルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の後任にトランプが指名したエイミー・コニー・バレット判事の上院での承認手続きにも遅れが生じるかもしれない。

 

ペンス副大統領(左)とミッチ・マコーネル米国上院多数党院内総務()に挟まれて佇むエイミー・コニー・バレット。BLOOMBERG/GETTY IMAGES

 

彼女の指名の発表は、バレット自身の会見も含めてホワイトハウスのローズガーデンで行われたが、この日のイベントによってホワイトハウスがCOVID-19のホットスポットになったという見方が強まっている。参加者の多くはマスクをつけず、ハグを繰り返す人びとも多々見られたからで、参加者の中から議員も含めて、複数の感染者がすでに確認されている。

共和党の当初の計画では、投票日前までにバレット判事の上院での承認を済ませ、就任手続きに入る予定だったが、そのスケジュールも怪しくなってきた。ホワイトハウスがCOVID-19のホットスポットになったとなれば、日頃、行き来のある上院・下院の議員やスタッフたちに対しても検査をすべきだという声も自然に出てきている。

それにしても、周りの人びとをすべて、味方か敵か関係なく巻き込み、混沌とした状況を生み出すとは、まるで一種のテロのようではないか。トランプの感染公表から数日が経ち、一通り、状況が整理されたところで、関心の中心は、本当のところ、トランプはいつ体調不良を自覚していたのか、ということに移りつつある。ソーシャルメディアを眺めれば、第1回ディベートの前にすでに症状があったのではないか、という疑問、というよりも非難の声も多々見られる。

 

モデレータを務めたFoxのクリス・ウォレスによれば、トランプはディベート会場に遅れて到着したため、主催者が定めたディベート開始前のメディカルチェックを行えなかったのだという。当日、会場に集まったトランプ家の人びともマスクはしておらず、主催者側の感染対策プロトコルを完全に無視していた。トランプのディベートの準備に関わったクリス・クリスティー元ニュージャージー州知事に至っては、トランプの感染報道を聞いて慌てて検査をしたところ、陽性の結果が出てしまい、入院してしまった。

こうなると、トランプの責任感や倫理観、あるいは端的に信頼に足るリーダーなのか、ということが直接問われてしまう。そのような疑問はソーシャルメディアではすでに出回っている。そして、こと選挙においては、噂レベルでの懸念もまったく無視できない。そもそもトランプ自身が、ツイッターを駆使してマスメディアを飛び越えて、彼の見るリアリティを流布してきた。それが彼の4年間のプレジデンシーの根幹だった。だから、マイケル・ムーアのように、今回のトランプの感染・入院すら、実は狂言なのではないか、と疑ってかかる者も出てくる始末だ。

何が真実で何が嘘なのか。何をどこまで信じればよいのか。

 

2020年大統領選は、ここに来てまったく先が見えなくなってしまった。